2013年5月のメッセージ

 

読書のGW?

 

最近の私の読書の傾向といえば…、はっきり言って濫読気味です。ジュンク堂あたりにフラフラと立ち寄って、立ち読み気分でオモテに積んでいる新刊や新しい文庫本や、場合によっては本屋大賞をとった本など、ビビッときた本を片っ端から読んでいます。沖縄や東京出張が続いたこともあり、空港の売店あたりで衝動買い的に買った本などもあります。今号はその中でもおすすめの2冊をご紹介します。

吉田修一の「横道世之介」。これは60年代の「青春の門」の昭和の終わり=80年代バージョンとでもいえばいいのでしょうか。しかもこの世之介の愛すべきボーッとした、それでいて愚直なまでの真直さとフレンドリーさそして何よりも緩さがとにかくいい。東京と故郷長崎の間を行き来する1年間の年月の中で成長していく様が、妙に30年前の自分を思い出したり、今のわが息子とかぶったりして、自分の中では共感性のすごく高い1冊でした。吉田修一は他にも「悪人」などを読みましたが、人と人との空気感というか感情の機微の表現が絶妙で、易しい言葉しか使っていないのにすごく情景が浮かんできます。

もう一冊は有川浩の「三匹のおっさん」。定年を迎えたおっさん三人組(いずれも元悪がき)が趣味で始めた夜回りがいつのまにか必殺仕置き人の役目で地域の犯罪者、悪人たちをちょっとだけ逃げ道を残しつつたたきのめして、いくつかの事件を解決する中で、主人公の孫や娘たちを巻き込みながらそこに笑いあり涙あり、ラブストーリーも交えてテンポよく進んでいきます。読後感がすっきり爽やかで、すっかり有川浩のファンになってしまいました。「阪急電車」も面白かったのですが、これは輪をかけて面白いです。あとがきに故児玉清(俳優)の在りし日のラジオでの書評まで挟み込んで畳み掛けるように読者を味方につけてしまうあたりが有川浩、恐るべし!といった感じでしょうか(笑)まとまった時間がなかなか取れないので長編小説はなかなか進みませんが、一冊読み切りの痛快な本をこのGWから夏にかけて、また見つけまくりたいと思います。ちなみに村上春樹の新作はまだ予約もできていません。このいきあたりばったりというか、ええころかげんさが私の読書のスタイルでもありますので、別にそうなりたいわけではありませんが、村上春樹の新刊発売日の深夜12時に本屋に並ぶ人たちを尊敬してしまいます。一種の村上教信者という感じなんでしょうかねー。1か月も経つか経たないかのうちにミリオンセラーですから一応単行本の時に読んどこう!と今思っております。今月は本のお話でした。

 

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