2018年11月のメッセージ

『 中学生~14歳の天才 』

 


 

 という題名をつけたら、皆さんは将棋の藤井聡太七段、卓球の張本智和選手、サッカーの久保建英選手あたりをすぐに思い浮かべるかもしれません。

僕の今年の目標の一つは読書60冊だったのですが、出会ってしまいました、凄い中学生に。鈴木るりか著『さよなら田中さん』昨年秋に刊行された本で、なんでも3年連続で小学館の「12才の文学賞」を受賞した女の子です。

掛け値なしにこの本は面白いです。母一人娘一人、世間の荒波にもまれて苦労を重ねて…昔のNHK連続ドラマ『おしん』のような涙ホロリの物語-かと思いきや、極貧の状況を明るく楽しげに日々を送って生き抜いていく、他人をきちんと前向きにリスペクトできる主人公の小学6年生田中花実ちゃん繰り広げる数々の日常的ドラマ。ちびまる子ちゃんやサザエさんが好きな方は必ずハマると思います。

花実ちゃんのお母さんがまた個性的で凄い!強烈に逞しく明るい母ちゃん(しかも想像するに日に焼けてボサボサで化粧っ気もないけど多分僕の想像では美人のはず…)なのです。世話好き大家さんの紹介の見合いで思わぬ展開に二人が巻き込まれかけたり、ばったり出くわした花実ちゃんの同級生がふらふらっと橋から身を投げそうなところを二人で助けたり。でも、ウルっとくるようなところも随所にありで。次に書く本も是非読みたい!

 アスリートや将棋の天才中学生が日々のストイックなまでの練習や努力の積み重ねで天賦の才を伸ばしていくストーリーとかドキュメントにも同時代を生きていて感動しますが、15歳でこの想像力、構成力と平易な語彙力(難しい言葉ではなく平たい皆が使う言葉で分かり易く情景を思い浮かばせる技法というか文章力)の豊富さに、作家あさのあつこも感動した、というこの小説、是非読んでみてください!

 中学生ですから、プロの作家のように当面次から次へと新作は刊行できないでしょうが、次作が楽しみです。何しろ原稿を書くときは、集中すると次から次へと言葉が浮かんでくるそうです。好きな作家は志賀直哉だとか。

 読書の秋真っ盛りです。これは、という本の情報は是非ラプレター編集部?までご紹介ください!以上、小学館からの回し者-樋口のコラムでした~。

 

社長 

代表取締役 樋口繁樹

 

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