『 「新しい生活様式」で気になること 』
福岡では5月中旬に緊急事態宣言も解除され、手探り状態ながらも経済活動や買い物、外食など日常を取り戻しつつあります。
一方で第二波の感染拡大に備えて神経質になるところも多く、ほとんどの方はやはりワクチン、新薬の『開発』と『流通』なくしては本格的に新型コロナ前に戻れるとは考えていないのではないでしょうか。
「新しい生活様式」の一つとしてリモートワークに大きく舵を切り在宅勤務が一気にメジャーになりつつあります。
われわれ住宅不動産業界においても、住宅展示場に出向くことなく自宅で画面を通じて展示場を体験でき、担当者がマンツーマンで付き画面を通じて打合せをする、といった大手ハウスメーカーのTVコマーシャルなども6月初旬から目にするようになりましたね。
一方でリモートワークができる業種や職種のお客様ニーズに応えた住宅設計上の工夫とは?といった商品企画テーマも今後急速に増えてくると考えています。
そんな中僕が今いちばん気になっているのは、仕事・日常生活の中での冠婚葬祭事・イベントやスポーツ観戦、すべてそうですが、場(空気感)を共有しないで本当に人間同士が一つの事柄に共感し感動し発展するのか?ということです。
仕事においては大きなマンション建替えプロジェクトがこの4月に福岡で、また7月に熊本でいよいよ竣工・入居となりました。いずれも4年~6年にわたって多くの世話役と事業協力者が一体感を持って事業を進めてきたことがここに結実したわけです。コロナ前であれば祝賀会で美酒を浴びながら(?)完成入居の喜びと感動を共有できました。
また、冠婚葬祭においては私事ですが愚息が昨年結婚し、この秋に東京にて披露宴を予定しております。(1年前から決めていたことです…。)
スポーツでいえば昨秋のラグビーワールドカップでは同じ場所に居合わせて勝利の瞬間を共有できました。
物事が結実した時の共有体験を通じての達成感、肌感覚や空気感といったものをもう味わえないのではないか?
今年延期になった博多祇園山笠は来年、コロナ前と同様のやり方で行えるのでしょうか?
ワクチンと新薬が使えるようになったとしても、何十万人の観客と何千人の参加者が超過密状態になるお祭りができるものなのでしょうか?
人間の感性そのものが鈍くなったり、表現が下手になったり、信頼関係を深く築くにおいて、より一層時間がかかったりするのではないか?大げさかもしれませんが、集まることで築けるすべての人間関係を新しい生活様式の中でどう人類は作り上げていくのでしょうか?
この答えを探りたくて気の合う仲間と酒を酌み交わしながら、あ~でもない!こうでもない!と『夜の街』に出て語り合いたいのですが、それも今はままなりません。
今回は疑問符ばかりを並べてしまいましたが、誌面が足りないので次号(9月号)もこのテーマでいきます!この2ヶ月で何か見えてくるものもあるかも…という期待感もあります。
代表取締役 樋口繁樹
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