管理組合は民主主義社会の縮図だな~って話

管理組合は民主主義社会の縮図だな~って話
9~10月は、やたら書面作成の多い月でした。この4月の区分所有法&マンション再生法改正を機にマンション再生へのアプローチや手法にテーマを設けて、事例集を作成しようと国交省のワーキンググループが6月にできました。そのグループの委員の委嘱を受け当社3事例について事例報告をすることになり、そんな訳で肩の凝る仕事が増えたわけです。
当社のマンション再生事例は進行中の1現場を含めて10事例、その中で3事例を報告というのは率が高く、特徴のある現場が多かった証でもあるので選んでもらったのは有難いことです。マンション再生業界への恩返しと思いお受けしました。
3つとは〈自主建替え事例〉〈借地権物件の建物敷地売却事例〉〈隣接地の取込み事例〉です。特に3つ目の事例は、改正前の旧マンション建替え円滑化法ができた直後で、全国でも5番目の現場でした。と言っても竣工再入居して20年以上経っていますので、記憶を辿るのがなかなか大変!でも過去の書面やデータを見ながら、場面場面を思い出し、当社のマンション建替え、再生の原点だという思いを強くしました。
そのプロジェクトで感動したことの1つが徹底的な民主主義。理事長のリーダーシップがもちろん前提条件としてあってのことです。印象的だったのが事業協力者であるデベロッパーを候補社2社から選定する総会。議論は百出、色々な意見が出ました。いよいよ採決となり、自分では選べないから専門性の高い建設委員会に選定を一任するという票が32票中7票ありました。一任票があるとの予測のもと建設委員会では多数決により、実績の多いA社を選んでいました。総会での開封結果は、A社12票、B社13票でB社票の方が1票多かったのですが、そこに建設委員会一任の7票がA社に積み上げられて、19票対13票と逆転したのです。
この決議のあと直ぐに32名全員との個別面談に入るのですが、その際に、A社のプランを元に住戸希望をヒアリングしていくにあたり、非協力的な方が1名もいなかったことに驚きました。決まった会社は企業としてだけでなく、プランや条件面を含めた提案そのものも選ばれているのです。仮に「B社のこのプランを部分的に採用してほしい」と言われてもA社が受け入れることは難しい、となります。当社もB社からの信頼を失いかねません。
この住戸選定が円滑に進み、僅差とはいえA社が採用されたことに対し、B社の支持者が直ぐにA社提案を受け入れ建替え全体の動きに協力的だったことで、一気に建替え決議も含めすべてが上手く進んで行きました。
マンション建替え、再生事業は民主主義社会の縮図だと私が思うのは、採決されたら前に進む、というこの基本的なことです。これができる管理組合とできない組合では大きな差がつきます。昨今の国や県の政治の劣化状況を目の当たりにするにつけ、民主主義の退化のような気がするのは私だけでしょうか?海を渡った大国もですけどね。ふと20年前の仕事を振り返りながら思った次第です。
ちなみにこの再生事業は当社がコンサルタントに選定されてわずか2年4ヶ月後に竣工再入居となり、多分全国で3本の指に入るくらいのスピード再生でした。

代表取締役 樋口繁樹





