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~心に残る建築~ 『 最初に携わった建築の仕事 

 

 

 1999年4月、大学を卒業した私は社会人1年生として設計事務所に勤めていました。勤め始めた当初はまさに丁稚奉公で、もちろん作図(当時はすでにCAD)もしていましたが、図面の整理や現場に収めるA1図面を何百枚も青焼きしたり関係先に書類を持っていくなどで日々追われておりました。

 そんなある日、社会人になって3ヶ月目くらいでしょうか都市基盤整備公団(現UR都市再生機構)から東区の香椎団地建替えの仕事を受注しました。香椎団地は昭和35年から管理開始された33棟約1,000戸からなる団地です。シンボリックなスターハウス(星型住宅)も4棟ありました。現在は昭和56年に新築された1棟を残し11棟が新しく建替えられアーベインルネス香椎となっています。

アーベインルネス香椎
アーベインルネス香椎(UR都市機構HPより)

工事は順次解体~建替えを繰り返していくのですが、その最初の1棟目を手掛けることになったのです。その設計業務を当時の上司と私のペアで行うことになり、大規模な建替えでしたので同時に進める別の棟の設計事務所と共同で作業を行うことになりました。

 最初の建物です。団地全体のデザインコンセプト作りから始まりました。そのデザインがその後に続く建物のベースとなります。全体の配棟計画から色彩計画、そして建物の細かなデザインまで作成していきました。個人的にはその過程はまるでもう一度大学の卒論と卒業設計を行っているかのようでした。どのようなデザインにしていくべきか、時には徹夜で討議し何枚ものスケッチを描く…熱気に満ちあふれた濃密な時間でした。今でも忘れられません。

 コンセプトは「和のデザイン」

 いわゆる「和風」ではなく「和のデザイン」を掲げました。日本文化の流れの中で培われてきたものを一度かみ砕いて、新たな現代的解釈をし、デザインとして香椎にどう表出させ貢献していくかということです。香椎という町について考え、日本の各時代の特徴をまとめキーワードを抽出し、日本人がどのように空間を知覚し把握しているのかを考察し、それを分解して再構築する作業を行いました。その作業は実に興味深く、時間を忘れてしまうような創造性のある仕事でした。

 日本人は空間を壁などで完全に縁を切ってしまうより、縁側などで見られるようなウチともソトともとれないような空間、「のとり方」というような時間・空間、そして見えがくれなどの「気配」といったものを自然と好んで様々な形で表出しているようです。そしてそれがなじんでいくと…。今思うとそういう空間を皆様にご提案できているのだろうかと思う次第です。

 そうこうして設計も完了し建設へと進んでいくのですが、独特のデザインが多々あったため現場では難易度の高い工事となったようです。見事に建物として竣工していただいた建設会社の方々には大変感謝です。

 その後「和のデザイン」は一冊の本(同人的なものですが)となりました。

和のデザインシート
「和のデザインシート」

 もしお時間があればアーベイン ルネス香椎をお尋ねください。

「和のデザイン」がいたるところ にちりばめられています。ちょっ とした庭先のしつらえなどの参考になれば。

 最後に、2年連続の卒論はやはりきつかった…

文:田中

 

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