2017年9月のメッセージ

『 8月15日のこと 』

 

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  8月15日の終戦記念日~一昨年は終戦70年という節目を迎えメディアで太平洋戦争のことが各局・各紙で取り上げられました。

今年もあと1年少々で元号が替わることがあるのか、時代の節目で世界各地のパワーバランスが崩れ危ない匂いを感じるからなのか、もちろん戦中を生きた世代の語り部の方たちの高齢化で、今のうちに記録を残しておかないといけないということもあるでしょう、多くの特番や特集が組まれていました。

 悲惨さや凄惨さを伝える原爆投下や各地の大空襲、沖縄戦、特攻隊のことはこれまでも多く取り上げられて来ました。

今年特にショッキングだったのが、満州での731部隊の生体実験と細菌兵器を取り上げた8月13日のNHKスペシャルです。旧帝大医学部などの医学者による満州での細菌を使った生体実験の証言で作られた特番でした。そしてその実験記録は、医学者たちの無罪放免と引き換えにGHQがデータを引き取り、その後米軍により朝鮮戦争でも再検証された、というような筋立てでした。

 そして、当事者の医学者たちはその後日本に引き揚げてきて、黙して語らず(そうしないと歯止めが効かない、精神が持たないということもあるでしょう)各大学に戻り学長やその分野の権威にまで上り詰めた者もいれば、良心の呵責に苛まれて懺悔して謝罪し、自らの命を断った者もいる。そして、戦争の前線では人間が狂う、麻痺してより激しく残酷を競うようになっていくのです、という証言もありました。

 そんな番組を見たあと、里帰りした実家でその番組の話をしていたら、父から「当時自分は13才の軍国少年~周囲も皆そうだったが~、次の年14才になれば少年志願兵として志願するつもりが、玉音放送で敗戦を知った、それが自分の13才の8月15日という日」と聞きました。

年に一度ですが、この日はお盆期間でもあるので、 当時の世の中の出来事だけでなく、自分の家族や 身近な方の戦争体験を聞き、読み、見てのことを 平和への思いを強く持つ、そんな8月15日がこの先も 戦後100年、戦後150年とずっと続いてほしいと強く 願うものです。

 

代表取締役 樋口繁樹

 

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