2018年7月のメッセージ

『 野生鴨と野良猫のこと 』

 

 久しぶりに近くの池周りでのウォーキングの時の話。

 早朝ウォーキングが心地よい季節から少々汗ばむ季節になってきました。  年明けの今年の初め、羽根がカラー色の雄鴨と茶色単色の雌鴨の追いかけっこから話は始まります。

早朝からけたたましい声で二組計4羽の鴨を何回か見かけておりました。人間でいえば婚活ですね。春先にめでたく二組ともゴールインしたようで、7羽の子鴨と4羽の子鴨を引き連れた2家族が誕生しました。手のひら程の大きさになった時に、子鴨7羽家族は引っ越しました。

残る4羽の家族は3羽、2羽と徐々に減っていき、育ちきれなかったのか、カラスあたりにやられたのか、と池のあたりをうろつく人たちの間で話題となっておりました。

 ある朝、母鴨と2羽の子鴨がいつものように池の端で餌を探しながらすいすいと泳いでおりました。そこでいつも池近くで見かける野良猫のうちの黒猫の方がすごい早業で子鴨を噛みくわえ、脱兎のごとく走り去っていったのです。

一瞬の出来事でした。いつものウォーキングメンバーは4~5名でパラパラと歩いている間隔も空いているので、「こらー!!!」と追いかける間もなく、「えっ!」と驚いているうちにその猫は走り去っていきました。

「カラスじゃなく、猫だったのか~!」皆びっくりです。

 弱肉強食、生態系といってしまえばそのとおり。でも最近はカメラマン岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」人気もあり空前の猫ブームです。また、自宅近くの高宮や樋井川あたりでは「地域猫」活動もさかんです。

≪地域猫とは、もともとは野良猫だったのを地域のボランティアさんや住民の方たちの協力で、不妊・去勢手術をされ、毎日のご飯をもらい地域で管理されている猫たちのこと。不妊・去勢手術を終えた印として、高宮では耳先にVカットなどの印を入れています。≫

 子鴨がかわいそう、この野良猫、何てことを~!と思った後、今度はあの野良猫(2匹とも耳がカットされていないので地域猫ではありません)の日々を想像しました。

野良猫の飢え、不衛生な食事や水、暑さ寒さ、事故や病気、時には虐待などと毎日闘っていることを想像したことはあまりありませんでした。野生の鴨(野良鴨とはいいませんね~)と同様に、寿命10~15年といわれる飼い猫と比べ、野良猫の寿命は3~5年だそうです。子鴨が1ヶ月で半数以下になっていくのと同じです。

 「かわいそう~」、「憎たらしい~」、「かわいい~」など、人の動物に対する感情はその人の視点、考え方、立場によるものに過ぎません。人間社会の中でもまったく同じですけどね。だからこそ、「憎悪」というマイナス感情にだけは向かわないようにしないと!と改めて強く思った次第です。

社長 

代表取締役 樋口繁樹

 

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