2019年11月のメッセージ

『 ものづくりとものがたり 』

 

 あるセミナーで出会った方のお話。パネラーは三者三様に魅力的な方ばかりでしたが、口数は控えめ、しかも(本人曰くですが)不器用そうなのに妙に言葉に説得力がある方に惹かれました。

≪ファクトリエ≫代表の山田社長でした。(ファクトリエはファクトリー+アトリエの造語だそうです。100くらいの候補を考えて最終的に造語…という所は僕と同じです。セミナー後に著作本を購入しサインを頂き、後の懇親会にも参加して同じテーブルに座り盃を交えました。ミーハーな僕…まあ、それはいいとして)38歳にして(いや若いからこそ)日本の服と雑貨をそして日本の縫製工場の技術力を世界へ発信しよう!と魂の入った事業を起こされた方です。

工場がプライドをもってつけた価格で販売できるようなネット通販網を作り上げるだけでなく、サテライト店などでの企画提案のイベントから世代をつなぐ仕掛けまで、日本の≪ものづくり≫技術へのこだわりとその継承を『衣』の分野で実現しよう、との信念に感動を覚えました。

工場の地位を上げよう!と5年で全国500工場を手紙と飛び込み営業で回り、ある時は工場のある小さな町の町内放送で「怪しいスーツ姿の男がうろついていますので気をつけてください!」とまで言われ心が折れそうになります。

帰りの新宿行き夜行バスの車中で寝ずに考えた事-工場で働く方を幸せにするためではなく、自分が幸せになるために共に夢を追いかけてくれる工場を探そう!とマインドチェンジ。

その中での最初の提携店が人吉シャツ工場を再建し有名になった高級シャツ「HITOYOSHI」の吉國代表との出会いなのです。(懇親会は吉國代表も同じテーブルでした…余談)

 後で読んだ著作本『ものがたりのあるものづくり』の中に、共感したフレーズが二つあります。

1つが【目指す理念に共感してもらえない人まで追おうとは思わない、お客様は≪神様≫ではなく≪仲間≫。お叱りは真摯に受け止めるが同意できない意見にまで迎合してお客様を増やすつもりはない。作り手(工場)と使い手(お客様)との対等な関係を作ること。】

そして2つめが【お客様の期待を上回る感動をいかに生み出すか?自分の頭でしっかり考えて、知恵を絞って、工夫を凝らさなければ、サプライズは継続できない。】

結果的に熱狂的なファクトリエとその提携工場を口コミで紹介する方たちがまさに広告をしてくれる、というわけです。

 この山田代表の実家は熊本市手取本町の100年続く婦人服の店。その店で“1対1”の対面販売を幼い時から傍らで見てきた息子が、今“1対多”の対面販売で数を追わずに、しかも世界中に規模の大きさを求めるのではなく世界中にコアでかつ熱狂的なファンを増やしていく、そういった挑戦をしています。

地に足のしっかり根付いた挑戦。規模一番になることより、一流を届けるそんなイメージです。ラプロスの目指す道もその感性を共有したいと思う良い出会いでした。セミナー主催者のD社に心より感謝します。

20社長 

代表取締役 樋口繁樹

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