『 おもてなしのこころ 』
東京オリンピックの閉会式を終えて今この原稿を書いています。
オリンピックの開催の是非論争、選手たちの極限の戦いに感動、一方で新型コロナの再拡大と感染爆発。この夏は良くも悪くも忘れられない夏となりました。
皆さんそれぞれに色んな思いがあることを受け入れる ― それが多様性を認める社会だと思っているので、ここでそういった件に ついての僕の意見は述べません。今号で書きたいのは、組織委員会の実働隊の皆さん、そして医療関係者を含むボランティアの皆さん方への感謝の気持ちです。
国、各機関、委員会のトップの方の発信力は色々問題があったにせよ、この世紀の一大イベントで、組織委員会職員、ボランティア一人ひとりが海外の選手、関係者、メディアの方々に「大会期間中 丁寧に親切に、心遣いとおもてなしの精神を持って対応すること で、海外の皆さんが日本にとても好感を抱いて帰られた」という記事を幾つも読みました。観光立国へと舵を切っている日本国の今後にとって、国民自体(市井の人たち?)の信頼残高が随分と積み上がったのではないでしょうか?
私の愛読誌の「致知」7月号に帝国ホテル社長へのインタビュー記事が出ていました。今年の大河ドラマの主人公渋沢栄一氏が、世界に通用する迎賓館的なホテルが日本にも必要だ、と開業に関わった日本屈指のホテルです。そこに10年前の東日本大震災時の都心の帰宅難民となった皆さんへの従業員の応対の話が出ていました。
自宅へ帰れずに一晩夜を明かすことになった皆さんのためにロビーを提供し、社長が指示する前に従業員一人ひとりが自発的に当たり前のように動き、ブランケットや水、パンなどを皆さんに提供された。そして震災10年を経てなお、当時一宿一飯の恩を感じた 皆さんから感謝の手紙が届いている、もちろんそれをきっかけに贔屓のホテルにされた方もおられる、そんな話でした。まさに従業員一人ひとりに帝国ホテルのDNAが宿っているのでしょう。
2つの ≪おもてなし≫ の話に共通するのは、【自分の職務(任務)への誇り】と【相手への敬意=リスペクトする気持ち】だと思います。
当社は社員が12名(来春1名新卒を迎えて13名の予定)の会社です。いつも社員一人ひとりがラプロス代表であり、広報担当であり、営業担当であり…、いくつも職務(任務)を持っているわけです。そしてラプロスの1/12を背負っている、あるいは発信している。規模の小さい会社ほど、そこは比重が大きくなるわけですね。そのことを好機と捉えて、自ら主体的に考え行動し、また≪同じ絵を見て≫(ラグビーワールドカップ日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチの言葉)ラプロスの目指す方向を思い描きながら進んでいくことが大切であり、そうあることを願い続け、言い続けること ― それが社長としての僕の役割だと。
ラプロスの企業理念の中で3つの行動規範のうち、
◇アクション 『YES』から始める卓越した『行動力』
◇パートナーシップ 『機会』と『縁』を大切にした永いお付き合い
という2つがあります。
僕にとって、東京オリンピックはラプロスの方向性を再認識する良い機会となりました。
3年後のパリ五輪も健やかな気持ちで迎えられるよう、コロナ収束までもうひと踏ん張り、皆さん一緒に逃げ切りましょう!
代表取締役 樋口繁樹
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